失敗は繰り返していい
私は
エルサルバドルシベリアブルボンコードブラックという
豆を扱っています。
コードブラックは、完熟したチェリーを収穫せず、干し葡萄のようになるまで樹上完熟させてから天日乾燥させるボイアと呼ばれる特殊な精製方法です。
完熟してる実を樹上でシワシワにさらにさせるのは、それまでに落ちてしまう実もあるため、ダメになってしまう実もあるだろうし、実際に入港した生豆も僅かでした
味わいは精製方法をそのままあらわしているようで、深く焙煎を進めても、ブラックベリやボディ感のあるワイン🍷を思わせる味わいで、これもワイニーな味わいです。ドライフルーツのような味わいを感じる時もあり、私はこの珈琲と非常に相性が良い食べ物も発見しました
ところで、私は
持っていきたい味わいやその豆の個性を引き立てるというところで、
それによって焙煎方法を変えています。
私はディスカバリという半熱風焙煎機を使用し
投入温度や熱量コントロール、排気効率、中点調整、温度上昇カーブ様々な事を豆によって変えているのです。
これは色々な考え方を橘さんに教えていただき、そこから小型焙煎機のクセ?(蓄熱量の問題など)もあり、いまなお試行錯誤を繰り返し、自分が作りたい味作りを豆によって変えて行っています。
ある時コードブラックを焙煎するにあたり
私はうっかりコードブラックで行ってる焙煎の投入温度を間違えてしまい
すでに釜に入ってしまい遅しでした
(※御客様には御送りしてません)
さてどうしようか
このままいつもと違う焙煎方法を行って
検証してみることにしました❗
いつもと違う投入温度、熱量、中点、排気、温度上昇カーブ。
これはこれで美味しいけれど、いつもと違うあることに気づきました。フルーティさが違う事でした。
橘さんは
『失敗は沢山繰り返していいものだよ』
と私に言って下さった事がありました
それまでの私は失敗は出来ればしてはいけないと思ってきたのですが、それでいいんだと思うようになり、失敗や思い通りに行かない事を試行錯誤するようになっていきました
珈琲や焙煎はそういうことが多く、当てはまることが当てはまらない事は自分で概念を変えていくしかない事もありました。
それは珈琲や焙煎だけではなく、どうにもならない事や受けとめて行かなければならない事や逃げられない事に、別の方法や考え方や方法があるかもしれないと思うようになっていきました。
もう数年前の事ですが
私は橘さんが当時焙煎されていた
ケニアカラティナという豆が好きでよく送ってもらっていたのですが橘さんがその時送って下さったメッセージは
ずっと印象に残っています
『ケニアカラティナをいつもと同じように焙煎しようとしていたんだけど、何故かひかれるように煎りどめしたカラティナがいつもと違う別のフレーバーも出て、それが良かったから試してみてください』
というものだったと思います
何十年も豆と話をしてるプロの人でも
こんな思いがけない出会いがあることに
その時ビックリしました
珈琲も焙煎も、そんな課程、課程の連続で
結果だけの世界ではなく、
それは珈琲や焙煎だけにとどまらないということを
気づくようになっていきました
coffee澪音
#失敗は繰り返していいもの
#失敗は成功のもと
0コメント