復興

東北の震災が起きたとき
関東地方でも、食糧が買いにくくなったり、
ガソリンを入れることも制限されていたり

そんな時は、誰もが余裕がなくなり、我が先、となっていたように思います。私もそうだった気がします。
現地の方々の大変さを思う余裕さえもなく。

私が珈琲や焙煎の考え方を教えてもらってきた方から、その時の事を聞いた事があったのです。
お店を開く前(お店を開くのは、もっと後だと想定していたそうで)、福島県まで来られ、震災で大変な思いをしている方々に、珈琲を淹れてお出ししていたそうです。
最初、現地の方々には、自分のこれからやるお店の宣伝のためなのではと誤解される事もあったようですが、何か自分で出来ることで癒したいという思いが、後に現地の方々に伝わり、そういった人との関わりが、想定していたよりも早くお店を開くきっかけになったとお話ししてくださってました。

あの時、自分の事で精一杯、あの時福島にいなくてもそうだったのに、とても胸が熱くなりました。

ロースターを目指し、手網で焙煎を始めるようになって、珈琲や焙煎の事を沢山教わりましたが、そういえば私に経営はこうするとうまくいくだのどうしたら儲けられるかだの、そういう話を私に1度もすることはなく、いつも豆と向き合っていく大切さを教えて下さいました。
私も何故か自然と、儲ける事とかは二の次で、勿論これで生活が出来るようになったらそれは有り難いけれど、この素晴らしさを誰かに伝えたい、知ってもらいたい、誰かの心やほんのひとときを灯すような事がしたいと独立を決めたのは、そんな姿勢を見せてもらえたからだと思います

豆を裏切らず、御客様を裏切らず、進んでいきたいです。

coffee 澪音

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